トレチノイン療法
トレチノインとは?
シミや色素沈着の改善に効果を発揮
トレチノイン酸(Retinoic acid : RA)はビタミンA(レチノール)を効率よく吸収するための誘導体です。ビタミンには皮膚の新陳代謝を促進させる動きがあり、肌をきれいに保つ栄養素の一つと言われています。トレチノイン酸はレチノール(ビタミンA)にはなれず、あくまで誘導体ではありますが、生理活性作用はレチノールよりトレチノイン酸の方が効果が強いことがわかっています。
トレチノインを高濃度で反応させると表皮にあるメラニンの新陳代謝が促進され、またマイルドに作用すると皮脂の分泌が抑えられます。シミは古い角質によって表皮の新陳代謝が妨げられたり、皮脂を排出する動きが低下したりすることで引き起こされますが、トレチノインの作用によって改善することができます。
また、トレチノインには、コラーゲンやヒアルロン酸などの分泌を高める働きもあり、肌につやとハリを与える作用もあります。
こんな方におすすめ
- シミに悩んでいる
- くすみ、くまを治したい
- 色素の沈着が気になる
- 毛穴を改善したい
トレチノインの安全性
米国FDAの認可を受けた治療薬
トレチノインは、米国のFDA(米国食品医薬品局)から効果および安全性が保証されていますが、効果的な治療を行うためには、定期的に医師の診察を受け、適切な指示を受けることが不可欠です。当院では専門医の診察に基づき、トレチノイン治療を行っております。
トレチノインによる治療
1.メラニン色素を排出する作用でシミを改善
大多数のシミは、表皮の深い層である基底層にメラニン色素として存在しています。そのため、シミを改善するためには深い層に作用しなくてはいけません。トレチノインは表皮細胞の増殖を促す効果があるため、細胞分裂によって表皮細胞が押し上げられていき、深い層にあるメラニン色素も一緒に持ち上げられ、外に排出されていきます。
トレチノイン治療中は漂白剤であるハイドロキノンを併用し、新たなメラニン色素を作らせないようにします。これにより、表皮はメラニン色素の少ない新しい皮膚に置き換えられていきます。
2.色素沈着の改善にも効果を発揮
トレチノインは、乳輪や乳頭、肘、足首、デリケートゾーン付近、ニキビ跡の色素沈着(黒ずみ)の改善にも有効です。当院では医師による診断のもと、トレチノインとハイドロキノンを用いて治療を行います。
治療回数・期間
シミ
約2~3ヶ月を1クールとして治療を行います。シミの種類によっては治療期間が2クール以上かかる場合もあります。
色素沈着
1日1~2回、トレチノインとハイドロキノン(皮膚の漂白剤と呼ばれる美白剤)を塗っていただきます。通常、2ヶ月程度で効果が得られます。
副作用、リスクについて
副作用
赤み、かゆみ、ほてりがある場合あります。
トレチノインの作用により肌に炎症が起こり、赤みが出てヒリヒリすることがありますが、保湿剤等を使用することで緩和することが可能です。その際には、担当医にご相談ください。
注意事項
ビタミンAの過剰摂取は胎児に影響を与える可能性があるため、トレチノインの外用で吸収されるビタミンAの量はわずかではありますが、トレチノイン治療中は必ず避妊する必要があります。妊娠を希望される方、育児中の方、授乳中の方はご遠慮いただいておりますのでご了承ください。
料金表
ハイドロキノン | 1ヶ月 | ¥5,500(税込) |
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トレチノイン(0.1%) | 1ヶ月 | ¥5,500(税込) |
トレチノイン(0.4%) | 1ヶ月 | ¥11,000(税込) |
※自費診療となります。
※効果には個人差がございます。
よくあるお問い合わせ
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妊娠していますが問題ありませんか?
妊娠中や授乳中の方はこの治療を行うことはできません。妊娠の疑いがあるときはすぐに中止するか、医師にご相談ください。
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併用した方が良い治療はありますか?
美白、シミが気になる方は、ハイドロキノンという軟膏を併用されることをおすすめ致します。ハイドロキノンは皮膚の漂白剤と呼ばれている効果的な治療です。
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痛みはありませんか?
痛みはありませんが、最初から早く治そうと軟膏をつけすぎてしまうと数日後に皮膚が剥離して赤みやひりつきが出ることがありますので、医師がすすめた量や間隔を守って下さい。
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ニキビ痕の治療は何をしますか?
皮膚のターンオーバーを促していく治療になります。
ニキビ痕は回数のかかる治療になりますが、施術していく中でニキビができづらくなり美白効果もございます。